田上病院耳より情報

2014年01月16日「慢性胃炎」がピロリ菌検査および治療の保険適用になりました〜看護部外来〜

2013年2月22日より、内視鏡検査で「ヘリコバクタ―ピロリ感染胃炎」と診断された人は、保険を使ってピロリ菌の検査や除菌治療を受けることができるようになりました。

【ピロリ菌とは】

正式にはヘリコバクタ―ピロリという細菌で胃の粘膜に感染して胃炎を引き起こします。主に、ピロリ菌は体の免疫機能がしっかりしていない乳幼児期に感染し、生涯にわたって感染が持続します。また、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどさまざまな胃・十二指腸の病気を引き起こします。

ピロリ菌は本来、感染力の弱い細菌ですが、口から感染すると推定されています。感染経路は環境因子や家族内感染などさまざまな要因が考えられています。以前は飲み水などに混入したピロリ菌による感染が疑われていましたが、衛生環境が良くなった現在では、ピロリ菌感染者の唾液を介した感染が考えられています。感染者数は生まれた年代によって異なっており、子どもの頃に衛生環境が悪かった50歳代以上の日本人の約70〜80%が感染者だと言われています。それに対し衛生環境が整っている若い世代における感染者は20%以下と著明に低下しています。

【ピロリ菌の検査】

1.内視鏡検査を行う方法

(1)培養法
(2)病理検査(組織鏡検法)
(3)迅速ウレアーゼ検査

2.内視鏡を使わない方法

(1)尿素呼気試験
(2)血中抗体検査
(3)尿中抗体検査
(4)便中抗原検査

赤字は当院が行っている検査方法


【除菌治療】

通常は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。
初回の除菌には、胃酸を抑える胃薬(プロトンポンプ阻害剤)と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)を用います。約7〜8割の方は除菌に成功します。しかし、薬の飲み間違い、飲み忘れ、自己判断などで薬を減らすと、除菌に失敗する率が増え、しかも抗生物質が効かない耐性菌を作ってしまう可能性がありますので、正しく服用しましょう。

【除菌治療の副作用】

  • 下痢・軟便
    頻度として最も多く、約10〜30%の方に起こります。1日2、3回であれば、薬の量を減らしたり中止したりせず、最後まで薬を飲んでください。ただし、発熱や腹痛を伴うひどい下痢の場合や便に血が混じる場合は、薬を飲むのを中止して、すぐに主治医に相談してください。
  • 味覚異常
    食べ物の味がおかしく、苦味や金属のような味がすることが5〜15%の方に起こります。
  • 皮膚の異常
    皮膚に異常が現れることがあります。

※1・2・3いずれの副作用も一時的なものと考えられています。どの場合も薬を減量したり中止したりせず最後まで飲んでください。

【除菌後の判定】

除菌薬を7日間服用後2〜6ヶ月を経過して行います。この場合当院では尿素呼気試験で判定を行っています。

当院では平成18年より経鼻胃内視鏡を行っております。経口に比べて楽に検査を受けることができると好評で、年間の約7〜8割の方が経鼻内視鏡で検査を受けられています。また、除菌後の検査も電話で予約を入れていただければ、簡単に行うことができます。ピロリ菌に感染していないかご心配の方、感染しているけれども未除菌の方は一度ご相談ください。

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