田上病院耳より情報

2012年10月03日ポリオの予防接種方法が変わりました〜看護部・外来〜

平成24年9月より生ポリオワクチン経口接種(口から飲む)2回から不活化ポリオワクチン皮下接種(皮下に注射)4回に変更となりました。

ポリオとはどのような病気なのでしょうか?

ポリオ(急性灰白髄炎)は、成人が感染する事もありますが、乳幼児がかかることが多いため、「脊髄性小児麻痺」略して「小児まひ」として知られてきました。原因は、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増える事で感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気として明らかな症状はあらわれずに知らない間に免疫ができます。しかし、腸の中に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。

日本ではポリオは発生していないのに、ワクチン接種が必要なの?

日本では、1960(昭和35)年に、かつてない大流行となりました。感染を予防するための生ポリオワクチン接種が翌年より始められて以降、発症数が激減し、1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、(ポリオワクチンによらない)新たな患者は出ていません。

日本は、2000年にポリオ根絶の報告をしましたが、世界には今でもポリオが流行している地域があります。(パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジア・ナイジェリアなどのアフリカ諸国)現在、交通の発展に伴い、誰しも海外に行く機会が増えており、渡航者などを介して感染はどこの国にも広がる可能性があります。シンガポールやオーストラリアなど、予防接種の接種率が高い国々では、ポリオ流行地のポリオ患者が入国しても、国内でウイルスが広がらなかったことが報告されています。仮に、ポリオウイルスが日本国内に持ち込まれても、現在では、ほとんどの人が免疫を持っているので、大きな流行になることはないと考えられています。しかし、予防接種を受けない人が増え、免疫を持たない人が増えると、持ち込まれたポリオウイルスは免疫を持たない人から持たない人へと感染し、ポリオの流行が起こる可能性が高まります。よって、ポリオワクチンを接種することがポリオを予防する唯一の方法です。

生ワクチンと不活化ワクチンとの違いは?

「生ワクチン」は、ポリオウイルスの毒性を弱めてつくったものです。ポリオに感染した時とほぼ同じ仕組みで体に免疫ができます。免疫をつける力が優れていますが、100万接種に2〜4人程度の頻度でワクチンによる麻痺を来す可能性が知られてきました。 「不活化ワクチン」は、ポリオウイルスを不活化し(無力化)免疫をつくるのに必要な成分を取り出し、毒性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きが無いため、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。(ただし、発熱など、他の不活化ワクチン同様の副反応が生じる可能性はあります。)

単独の不活化ポリオワクチン予防接種について

定期予防接種対象児

生後3ヶ月〜90ヶ月(7歳6ヶ月)までの小児
※既に生ワクチンの接種を2回受けた方は対象外です。

接種を受けられる場所および時期

定期予防接種委託医療機関で通年接種できます。(かかりつけ医に相談してください)

接種方法

注射による皮下接種

標準的接種回数

初回接種は20日以上の間隔をおいて3回(標準的初回接種は生後3ヶ月〜12ヶ月です。)追加接種は初回接種終了後、6ヶ月以上の間隔をおいて1回の計4回
※追加接種(4回目)は平成24年9月導入時点では定期予防接種の対象外です。
現在、国内臨床試験を実施中のため、データが整い次第導入予定です。

上記は、単独の不活化ポリオワクチン導入(平成24年9月1日)から、4種混合ワクチン導入までの接種方法です。ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオワクチンの4種混合ワクチンは、厚生労働省で平成24年11月の導入に向けて準備が進められています。不活化ポリオワクチンと3種混合ワクチンを別々に接種するよりも、11月まで待って4種混合ワクチンを接種しようかなと思われている方もいらっしゃると思いますが、その考えは危険です。乳児が百日せきにかかると、重症化し、命に関わることもあります。3種混合ワクチンは、生後3ヶ月を過ぎたらできるだけ早く接種することをお勧めします。

当院では下記のワクチン接種が可能です。

平成24年9月1日現在

※1 子宮頚がんワクチンは、サーバリックス・ガ―ダシルの2種類があります。
   電話予約時にお尋ねします。
   もし、どちらか決定していない場合は、予約時にご相談ください。
   *サーバリックス
   2価ワクチン:ヒトパピローマウイルス(以下:HPV)「16型」と「18型」の
          2つのタイプの発がん性HPVの感染を予防するワクチン
   *ガ―ダシル
   4価ワクチン:子宮頚がんおよびその前がん病変、外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍、
          尖圭コンジローマなどの発症に関係している、HPV「6型」「11型」
         「16型」「18型」の感染を予防するワクチン
※2 任意接種は、全額自己負担となります。価格は、予約時にお尋ねください。
注)BCGは当院では行っておりません。

予防接種を受けるためには

接種予定日の前日(午前中)までに、予約の電話が必要です。
月曜日に接種希望の方は、金曜日午前中までに予約をお願いします。

接種当日に自宅で確認すること

*お子さまの体調チェック
*持ち物チェック(母子手帳・保険証・その他必要な物)

小児科の受付時間は9時〜11時30分となっております。
午後は休診となりますのでご注意ください。
予防接種についてご不明な点がございましたら、外来スタッフまでご相談ください。

【参考文献】厚生労働省:ポリオとポリオワクチンの基礎知識Q&A

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