田上病院耳より情報

2009年09月28日胃透視検査について 〜放射線室〜

1.胃透視検査とは

 胃透視検査(MDL:Magen Durchleuchtung)は上部消化管造影検査、バリウム検査などと呼ばれており、食道や胃、十二指腸を撮影する検査です。
 これらは、エックス線を使用しても観察することが出来ません。そこで胃液で満たされた、胃の壁(粘膜層、粘膜下層、粘膜下筋板、筋層、漿膜からなる)をよりよく観察できるようにバリウムと発泡剤を飲みます。胃壁にバリウムが付着することにより、エックス線がバリウムに吸収されて画面上で白く写り、胃の形や粘膜の状態が観察できるようになります。
 また発泡剤を飲むことにより胃が膨らみ、萎んでいて見えなかったところも見えるようになります。
 胃全体の形や大きさ・粘膜の状態(ポリープ・潰瘍・がん)などの位置関係や病巣の深さ(進達度)などが分かります。胃炎や潰瘍、胃がんでは胃壁が荒れたりしますので、正常の胃壁とは異なったバリウムの付着具合を観察できます。また、ポリープなどの隆起性病変はバリウムがうまく付着せず丸く黒いリング状に写し出されますので良く観察できます。

2.検査前の前処置について

  • 検査当日に胃の中を空にする必要があります。胃内に残渣物(食べカス)があると病変と間違われる可能性があるため検査当日は絶飲食です。検査前日の夕食はなるべく消化のよいものをとるようにしましょう。検査前日の夜9時以降は食事をとらないでください。アルコール類は飲まないでください。
  • 胃粘膜の血流が低下してしまうため、検査前は禁煙をお願いします。
  • 服用中のお薬がありましたら医師に相談されてください。
  • 過去にバリウム検査をされてアレルギー反応があった方は、申し出てください。
  • 妊娠中及び妊娠の可能性のある方は、検査を受けられないことがありますので必ず前もって申し出てください。
  • 心臓病、前立腺肥大症、緑内障などの疾病がある方は胃の動きを抑える薬を変更する場合もありますので必ず前もって申し出てください。

3.検査の流れ

  • 検査着に着替えてもらいます。(ボタンなどプラスチックや金属のついた洋服や下着、エレキバン等磁石、湿布、ネックレスなど貴金属類ははずしてください。うつぶせになる時、めがねも支障になる場合がありますのではずしてもらいます。)
  • 胃の動きを抑える注射をして効果が出るまで約5分間待っていただきます。この注射は少し動悸がしたり、喉(のど)が乾いたりすることがありますが、すぐ治りますので心配する必要はありません。
  • 台の上に立ち、発泡剤を飲みます。胃の中で炭酸ガスが発生し、胃が大きく膨らみます。
    ※飲む時に口の中で発泡させたり、ゲップを出してしまうと胃の膨らみが足りなくなり、追加で発泡剤を飲まないといけませんので、ゲップを出さないようにお願いします。
  • 次にバリウム200cc程飲みます。少し飲みにくいですが、がんばって飲んでください。
  • バリウムを胃の粘膜に良く付着させるために、台の上で右向き、左向き、うつ伏せになったりする必要があります。スムーズな検査のため技師への御協力をお願いします。
  • 体の向きを変えながら、胃の粘膜に付着したバリウムの写真を撮影していきます。また、最後に胃を圧迫していきますので、お腹が押されて痛いとき、骨にあたっているときは声を出したり、手を上げたりして技師にお教えください。
  • 検査時間は約15分〜20分位です。途中で気分が悪くなったら、無理しないですぐに技師に申し出てください。

4.検査後について

  • バリウムを飲んだ後はできるだけ水分を多くとることが肝心です。
    腸管は水分を吸収する臓器になりますので水分を補給していないと、バリウムを溶かした水も吸収されてしまってバリウムがだんだん固まってしまいます。バリウムが固まったら便秘の原因となります。ですから、胃透視を受けた後バリウム便がしっかり出るまでは、喉が乾いていなくても水分をしっかり取ることが大事になってくるのです。
    またバリウム便を早く体外へ出すためにバリウムの中に下剤をいれています。個人差がありますが8〜10時間位で白い便が出ます。軟便気味になり脱水症状になることもありますので、上記とあわせて検査終了後は水やお茶を多めにとるようにしましょう。 もし、次の日になっても便が出ない場合は当院にご連絡ください。
  • アルコール類は控えてください。
    お酒を飲むとトイレに行きたくなりませんか?それは体が血中アルコール濃度を下げようとして水分が血中に吸収され、多くなりすぎた水分がアルコールとともに尿として排出されるからです。よって、腸管内の水分が少なくなりバリウムが固まりやすい状態となります。検査した日はお酒を飲まないようにしましょう。
  • 胃の動きを抑制する薬の副作用で目の調節障害、眠気、めまい等を起こすことがありますので車を運転する方は、1〜2時間ほど休んでからお帰りください。
  • 帰宅後、お腹の異常を自覚されましたら、当院へご連絡ください。

5.最後に

 最近、胃カメラは画質向上などにより診断能が上りました。それに加え鼻からできるようになって苦痛が少なくなったため胃の検査の主流となってきています。しかし、胃透視検査ではその病巣の位置や周囲の組織の状態など全体的に見ることができるため、現在も重要な検査です。

 「胃透視の検査を毎年して大丈夫なのか?」という疑問があるかと思います。毎年、胃透視の検査を受けてもエックス線が体に影響を及ぼすことはありません。また、毎年検査することで前年との比較ができ、より診断能が上ります。胃がんはがんの罹患数1位、死亡数は肺がんに次いで2位で、早期がんの場合は自覚症状がなく健康だと思っている場合がほとんどです。早期発見、早期治療をすることで治癒率が向上します。胃透視を毎年受けるようにして健康であることの再確認をするようにしましょう。

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