田上病院耳より情報

2009年04月06日MRI検査について 〜放射線室〜

1.MRI装置とは

MRIとは磁気共鳴断層診断装置(Magnetic Resonance Image)の略です。
MRI装置は磁場のつくり方によって永久磁石、常電導磁石、超電導磁石にわかれます。
この中で田上病院にあるMRI装置は超電導磁石になります。

理科で釘に銅線で作ったコイルを巻き、コイルに電流を流すと少しの間釘が磁石になると言う電磁石の実験をしたことありませんか?

超電導磁石はそれと同じ原理で右ねじの法則によりコイルに電流を流すことで磁場を発生させています。ただし、そのままだとコイルには電気抵抗があり熱を持ちます(常電導状態)。そこでこのコイルを液体ヘリウムで冷やすことによって電気抵抗がなくなり、一度電流を流すと永久的に電流が流れる状態になり、永久的に磁場ができます。(図1)この状態のことを超電導状態と呼びます。この状態にすることで強い磁場をつくることができます。

2.MRI画像ができるには?

強い磁場の中に入り、人体にラジオ波を与えることにより体の中の水素原子が共鳴します。ラジオ波を止めると水素原子からエネルギーが放出されます。
MRI検査はこの放出されたエネルギーを微弱な信号としてとらえて画像化する検査です。

3.MRIの特徴

MRIの長所
  • 放射線被ばくがありません。
  • 痛みは全くありません。
  • 造影剤を使わずに血管や脳脊髄腔、胆管、膵管の描出が出来ます。
  • 軟部組織(軟骨、靭帯、腱、半月板など)の描出に優れています。

当院でのボランティア撮影画像です。

MRIの短所
  • 検査対象者が制限されます。
  • 検査時間が長くかかります。
  • 大きな音がします。
  • ガス体や石灰化の描出は困難です。

4.MRI検査に関する疑問

(1)MRI検査は安全ですか?
MRI検査は磁石とラジオ波によって画像をつくります。X線写真やCTの様に放射線は用いません。使用する磁気や電波は無害で体に感じるものではありませんが、強い磁石を用いますのでペースメーカーがある方や金属が体内にある方は素材により検査を受けることができません。また、妊娠をしている方はより一層の安全性をみて原則としてMRI検査を行わないようにしています。
(2)MRI検査を受けるとき食事はどうしたらいいですか?
通常は普通に取っていただいて大丈夫です。ただし、造影剤を使う検査のときや腹部の検査の場合は検査の前の食事を抜いていただく必要があります。(朝から検査を行う場合は朝食を、昼から検査を行う場合は昼食を抜いていただきます)
(3)検査はどの位時間がかかるのですか?
検査の内容により異なります。普通一回の撮影が数分から十数分かかります。通常は撮影法を変えてこの撮影を4〜6回繰り返しますので全てが終了するのに20分〜60分くらいかかります。
(4)大きな音がするとのことですが対策はありますか?
施設によって耳栓をする場合がありますが、当院ではヘッドホンをしてもらい音楽やラジオを聴いていただいています。MRI装置にマイクがついており、ヘッドホンから検査担当技師の声が聞こえますので検査中に会話することもできます。
(5)MRI検査を受けるとCTや他の検査は必要なくなりますか?
それぞれの検査で得られる情報が異なります。また、いろんな検査の結果を照らし合わせて診断していくため他の検査が不必要になることはありません。

5.MRI検査を受ける方へ

MRI検査を受けることができない方
  • 心臓ペースメーカーを使用している方
  • 人工内耳を埋め込まれている方
  • 可動型義眼を装着している方
検査を受けることができない場合がある方
  • 脳動脈瘤の手術を受け金属クリップを入れている方
  • 金属製の心臓人工弁を入れている方
  • その他に金属を体内に入れている方(眼に金属粉等が入っている可能性のある方)
  • 妊婦又は妊娠の可能性がある方
  • 閉所恐怖症の方

これらいずれかに該当する方はスタッフに申し出ください。

検査室に持ち込めないもの
  • 身につけている金属類は外してください。
  • 金属の付いていない下着一枚になって検査着に着替えていただきます。
  • クレジットカードやテレホンカード、定期券などの磁気カード類、時計は磁気により故障等使用できなくなりますので検査室には持ち込まないようにしてください。

6.検査の流れ

  • 検査室に入る前に注意事項について再度確認します。
  • 検査用ベッドに寝ていただきます。(体の位置がずれないように固定する場合があります)検査中に具合が悪くなったりした場合の連絡用ブザーをお渡しします。また、検査中は担当者とマイクで通じていて、いつでも会話ができます。(リラックスしてお受けください)
  • 検査が始まると連続的に「トントン、ガーッガーッ」と言う音がしますが、磁石から出る音ですので心配ありません。動かないように寝ていてください。(胸部や腹部の検査の場合に何回か息を止めて検査を行うことがあります)

※検査後、安静などの必要はありません。食事や入浴など日常生活は普段通りで結構です。

7.造影剤について

検査の内容(より詳しく調べるため)によって造影剤を静脈内に注射して検査を行う場合があります。

注意事項(検査前)

次の方は事前に検査担当者に申し出て下さい。

  • 喘息にかかったことがある方
  • アレルギー体質を有する方
  • 肝障害がある方
  • 腎障害がある方
  • 以前に造影剤を使用したときに異常があった方
造影剤を注射した後(検査中)

ごくまれに次のような症状が現れることがあります。

▽吐き気 ▽熱感 ▽蕁麻疹

これらの症状が現れたときは連絡用ブザーを鳴らしてください。

帰宅後(検査後)

ごくまれにですが検査終了後、数時間〜数日経過してから頭痛や吐き気、怠惰感などの症状が現れる場合があります。原因不明でこのような症状が現れた場合、田上病院でMRIの造影剤を使った検査をしたことと、どういう症状があるかを当院にご連絡お願いします。

8.最後に

正しく使用するとMRI検査は患者様にとって、とても優しく有益な検査です。検査担当技師が細心の注意を払い検査していきますので、安心して検査を受けてください。
尚、調子が悪く検査を受けてみたいと思う方はまず外来受診されて、医師と相談されてください。

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