田上病院耳より情報

2011年12月26日ドライスキンについて〜薬局〜

ドライスキン(皮脂欠乏症)とは?

ドライスキン(皮脂欠乏症)は、言葉の通り、皮脂の分泌が低下し、角質層に水分が低下して乾燥した状態のことです。これは、年齢による変化、栄養不足、むくみなど様々なことが原因で起こります。皮脂は毛穴から出て、肌の表面を覆い、乾燥から皮膚を守る働きがあります。この皮脂の低下は、肌本来の防御機能の低下をもたらし、外からのあらゆる刺激に敏感になります。
特にこの疾患は、湿度の低い秋から冬によく見られ、中高年の脚や腰、背中によく見られます。乾燥状態を放置しておくと、次第に痒みが出てきます。そして、掻くことによって、炎症を起こし、紅斑(赤みのある発疹)が生じます。症状がひどくなる前に、保湿剤などによる早期治療が求められます。

保湿剤の役割

健康な皮膚には角層のバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質といった物質が不足して皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)になると、角層がはがれてすき間ができ、外からの刺激を受けやすくなります。保湿剤は、皮膚の水分が逃げないように“ふた”をしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。そのため、保湿剤を塗る前に水や化粧水で皮膚を軽く湿らせておくと、十分な保湿効果が得られます。健康な皮膚を守るため、季節に関係なく毎日塗ってスキンケアをしましょう。
保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗るのが効果的です。濡れたままの皮膚は水分の蒸発量が増すため、すばやくふき取り、入浴後は早めに保湿剤を塗るようにしましょう。

保湿剤の選択

一般的に処方される保湿剤には、ワセリン、尿素製剤、ヘパリン類似物質製剤などがあります。ワセリンは皮膚表面に膜を作って水分の蒸散を防ぐことで保湿効果を発揮しますが、寝る前に塗布すると汗の蒸散を妨げて熱がこもって痒みを感じることがあります。尿素製剤、ヘパリン類似物質製剤は、水分と結合することで角層中の水分を保持します。尿素製剤は角化症などで皮膚が厚くなった部位には効果的ですが、引っかき傷等の傷口、亀裂(ひび割れ)部位や炎症の起こっているところに塗るとしみる事がありますので気をつけましょう。

生活上の注意

  • 皮脂の喪失、かゆみの誘発を避けるため、熱い湯での入浴、長湯は避けましょう。また、洗浄力の強い洗浄剤の使用や、過度のあかすりも皮膚が乾燥します
  • 石鹸は低刺激(弱酸性洗浄剤)のものを使用し、こすらず、よく泡立ててなでるように洗いましょう
  • ドライスキン時は、皮膚のバリア機能が低下した状態にあるため、清潔にするように努めましょう
  • 冷暖房使用の際は、直接風に当たらないよう工夫しましょう
  • 偏食せず、バランスの良い食事を心がけましょう

最後に、ドライスキンはありふれた症状で、自然にはなかなか治りません。放置していると痒みや湿疹の増悪につながることがあるため、早めに医師に相談し、適切なスキンケアをしましょう。

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