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2008年08月11日呼吸器疾患の食事 体重を増やす食事の工夫 〜栄養課〜

 栄養課は、5月の呼吸リハビリ教室において、特に呼吸器疾患をもつ患者さんを対象に、体重を増やす食事の工夫という内容で、お話をしました。そこで、一部内容の抜粋も交えながら紹介します。

体重を増やす食事の工夫

 人は、体を動かしたり、静かにしているだけでも、エネルギーを必要とします。「年をとったら、お肉や脂肪を控え、食事の量は少なくした方がいい」と思っている方も、いるかもしれません。もちろん高齢になると、1日の活動量が減るため、必要なエネルギー量は、若い時よりも少なくていいことは、確かです。しかし、筋肉や内臓の健康を保つためには、十分なエネルギーと栄養が必要です。一概に、「少なく食べたほうが良い」というのは間違った考え方で、身体に必要なものは、必要な量を、毎日食べなくてはなりません。毎日、必要な量を、過不足なく食べることは難しく、その必要は、ありません。少し足りない日や、少しオーバーする日などがあっても良いのですが、平均的に、ある一定量を保っておく必要があります。

 特に、呼吸器疾患を持っている方の場合には、呼吸をするのに、より多くのエネルギーを必要とします。

 例えば、同じ体格、同じ年齢・性別で同じだけ体を動かす人がいると仮定した場合、呼吸器疾患を持っている方と、持っていない方では、持っている方の方が、呼吸をするために、より多くのエネルギーを使っています。すなわち、持っていない方よりも、その分、たくさん食べなくてはならないのです。不足してしまった分は、体の中の蓄えからエネルギーを作り出して補う事になり、その結果、やせてしまいます。しかし、より多くのエネルギーを必要としているとはいえ、たくさん食べるには限界があります。

 そこで、なるべくカサを増やさずに、効率よくエネルギーを摂り、体重を増やしていくための食事の工夫が必要となります。

1ヵ月で 1kgの体重を増やすためには…

1日あたり プラス250kcal以上 が必要です。

体重を維持するために必要なエネルギー + 250kcal以上
を1ヵ月間、摂取し続けることで、1ヵ月後、1kgの体重増加が期待できます。

品数や量を増やさずに、エネルギーをアップさせる方法

油を使った料理を取り入れる

例えば・・・同じあじの切り身80gを使った料理も調理方法を変えることで、エネルギーをアップさせることができます。

1回の食事に、1品から2品、油を使った料理を取り入れましょう。
魚料理に限らず、肉料理やサラダなどにおいても同様です。

油を多く含む食品を選ぶ

例えば・・・あじ80gの塩焼き 97kcal を さば80gの塩焼きに変更すると・・・261kcal
特に、魚や肉は種類や部位によって、エネルギーが異なります。

魚80gあたり(頭や骨を除いて)
いとより:74kcal かれい:76kcal あじ:97kcal すずき:99kcal
まぐろ赤身:100kcal いさき:101kcal さけ:110kcal かつお:132kcal
ししゃも:133kcal さわら:142kcal いわし:153kcal たい:155kcal
さんま:188kcal ぶり:206kcal はまち:206kcal うなぎ蒲焼き:234kcal

※その他にも、魚の仲間で油を多く含む食品には「ツナ缶油漬け」、「オイルサーディン」などがあります。

肉80gあたり(骨を除いて)

肉は、部位の違いや脂身・皮のあるなしでエネルギーが大きく変わります。

牛肉
牛ヒレ:106kcal 牛もも:146kcal 牛ひき肉:179kcal
合挽き肉:179kcal 牛肩ロース:192kcal 牛サーロイン:238kcal
豚肉
豚ヒレ:92kcal 豚もも:146kcal 豚肩ロース:202cal
豚ばら肉:309kcal 豚ひき肉:177kcal  
鶏肉
鶏ささみ:84kcal 鶏むね(皮なし):97kcal 鶏もも(皮なし):110kcal
鶏ひき肉:133kcal 鶏手羽:156kcal 鶏むね(皮付き):195kcal
鶏もも(皮付き):202kcal    

※その他にも、肉の仲間で油を多く含む食品には「ベーコン」、「サラミ」、「ウインナー」、「ロースハム」、「焼き豚」などがあります。

食事を食べる時のポイント

  • エネルギーの多い料理から食べはじめましょう。
  • 量の割に、エネルギーの少ない汁物や、エネルギーのないお茶などは、先に飲まないようにしましょう。
  • 食事の前に、十分な休憩を取りましょう。
  • 早食いせずに、ゆっくり良く噛んで食べましょう。
  • 胃にガスのたまる、炭酸飲料やビールは控えましょう。
  • 油っこい料理ばかりでは、飽きてしまいます。

油を使った料理に、レモンやお酢をかけるなどして、時にはさっぱりとした料理に変化させましょう。

どうしても食が進まないときは・・・
  • 自分の好きな食べ物を(間食も含む)取り入れましょう。
  • 1回の食事量を減らして、食事回数を4〜6回に増やしましょう。

この内容は、呼吸器疾患を持っている方を対象としていますが、他に生活習慣病をなどを合併しているなど、食事制限のある方は、主治医に相談しましょう。

参考文献)
五訂 日本食品成分表 医師薬出版(株) 食品成分研究調査会/編
呼吸リハビリテーションマニュアル 照林社 日本呼吸ケア・リハビリテーション委員会他/編

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